皆さん、最近話題になっている“オヤカタ”をご存知ですか?
新年会で久しぶりに会った同級生から「そろそろオヤカタする歳になったなぁ」と言われました。「親方?何のこと??」と聞いたところ、そっちのオヤカタではなく、“親の家を片付ける“ことが注目されているのだそうです。
略して“親(オ)・家(ヤ)・片(カタ)”。
親が老いたり、または亡くなったりする現実のなかで誰もが直面する問題と言えます。
日本人の平均寿命は女性が86.6才で世界一位、男性が80.2才で世界四位(2013年調べ)であり、男女合わせると日本は世界一の長寿国と言われています。一方で、 2000年頃から発表されている日本人の“健康寿命(介護等で自立した生活が出来なくなる迄の年齢)”は、女性が73.6才、男性が70.4才だそうです(2010年調べ)。平均寿命と健康寿命には10才程度の差があります。
出来れば親が元気なうちに”親家片(オヤカタ) “を済ませて快適な日常を過ごしてほしい、また改めて親子関係を見つめなおす機会になればと、”親家片“に取り組む人が増えているのだそうです。
「年末の大掃除は毎年やっているはずだけど、 自分は“親家片”を出来ているかな?」とふと思いたち、実家に立ち寄ってみました。
あまり開ける事が無い棚を見てみると、整理はされているものの同じ文房具が大量にあるのを発見。親世代は「MOTTAINAIからとっておく」と言うけれど、使い切れないことこそがMOTTAINAI!ので、家族で分けて持ち帰りました。
どこに片付けたかを忘れてしまい、ついつい新しい物を買ってしまった爪切り。なんと50年前の物まで引き出しの奥に隠れていました。片付けようとすると、「全部使っている」と一旦は反対されましたが、引き出しで眠っていた爪切りなので、使っていない事を改めて認識してもらいました。
年老いていくと管理できる物の量も若いころとは変わってきます。単に捨てるのでは無く、使いやすいものは?どこにあったら探しやすい?など、どんな小さなものでも話し合い妥協点をみつけていきます。こういう相談も“親家片”の大切なプロセスの様です。
“断捨離”では、要・不要の基準は自分が決めますから楽です。しかし“親家片”は、親子で話し合いの上、納得しながら物の場所や適正量を考えていくことに難しさがあるのではないでしょうか。
物を多く持つことが豊かさの象徴だった時代があります。使う、使わないではなく“持つ”ことに意味がある世代。コレクションとして「もったいなくて使えない」と棚に飾ったままの食器が大量にありました。
話し合いで、「使うのがもったいない」ではなく、「使わないとMOTTAINAI」となりました。好きな食器を使って毎日気分よく過ごさないとMOTTAINAIよ、と繰り返しながら第一回親家片を終了しました。
「人生65年時代」から「人生90年時代」へ突入しつつある日本にとって、 超高齢化社会に対する課題が山積していると言われています。
家族に老化に伴う変化がやってきた時、惑わず対応できるように、また残された親の時間を楽に、そして楽しく過ごしてもらう為にも“親家片”は早めに済ませておいた方がいいなと感じた一日でした。
皆さんの“オヤカタ”体験、教えて下さい!