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「熱中症対策のためクーラーを適切に使いましょう」というようなことをニュースなどでよく耳にします。節電も大事だけど命はもっと大事です。昨年からの「節電」で何を考えるようになったかといえば、「適切な」電気の使い方、ほんとうに必要な電気というのは何なのかということではないでしょうか。それは灯りにも言えます。今日はそんなこれってモッタイナイ?です。
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Q 街中のイルミネーション
洪水にように止めどなく、あふれるイルミネーション。眩しい真っ白な蛍光灯の光の壁を敷き詰めたJRの駅構内とか。必要な光を必要なだけ、必要な場所に、がいいなぁ。暗闇もすてきなのにね。(KIKIaKIさん)
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皆さんの意見は、
YES 84% NO 16%
モッタイナイ!と思っている方が多いですが、イルミネーションはやはり心躍るものなので、全てなくすというのも…という意見もありました。
そんな中、kinchanさんは「必要な分だけがキーポイント」という意見を寄せていただきました。
やはりイルミネーションにかぎらず電気は「必要な分だけ」使うのがいいということですが、東日本大震災直後の東京を思い出してみると、渋谷のネオンも消え、東京タワーも消え、地下鉄の案内板も消えました。それをみなさんはどう感じたでしょうか?あれで必要な灯りとしては十分だったか、それとも危険を感じるなど明るさが不十分だったのか。暗くなった東京を考えてみれば、ほんとうに必要な灯りというのが見えてくるはずです。
実際に、そんなプロジェクトも生まれています。
それは「エッセンシャル・ライト・ジャパン・プロジェクト」というもの。
このプロジェクトの一つに「光散歩プロジェクト」というものがあります。
これは震災から色々な年令や性別の人に渋谷、丸の内、浅草の夜の街を歩いてもらい、どのくらいの明るさが適切かを感じてもらおうというものです。年令によって明るさの感じ方が違ったり、女性は暗いところに危険を感じやすかったりするので、すべての人が安全な灯りというのはどのようなものなのかをアンケートによって明らかにして行こうというものです。
そして、さらにこの年の明るさが「光害」と呼ばれる公害にまでなろうとしているということを描いた映画『ザ・シティ・ダーク - 眠らない惑星の夜を探して』も紹介しています。
これは簡単に言うと空が明るくなることで宇宙の観察ができなくなるという天文学の問題と明るい夜に働くことで人間としてのリズムを崩してしまう問題を扱った映画です。これは「暗い夜を明るく照らすこと」で文明を発展させてきた人類がそろそろその方向に疑問を投げかけるときに来ているということを示しているのではないでしょうか。
ただ、イルミネーションというのはまた別の問題かもしれません。
イルミネーションは日常の灯りではなく、非日常の灯り、実用的な灯りではなく楽しむための灯りです。それは電気という点で言えば、テレビに使う電気がモッタイナイとか、野球のナイターがモッタイナイというのに似ているかもしれません。それつまりそもそも「必要」ではないもの。でも「あったらいい」と思う人がいるものであり、ある意味では「豊かさ」の象徴なのです。イルミネーションという煌々と光る灯りが豊かさの象徴であるというのは、先の映画の話で明るく照らすことが文明の象徴であった事とも関係があるのかもしれませんね。
でも、最近の私たちはまた別の豊かさを求めてもいます。先ほどの映画の中で、ニューヨークに暮らす子供たちがそこから100キロくらいの森にキャンプに出かけ「ここは最高だ!」という場面があります。彼らにとっては毎日眺めているニューヨークのネオンよりもただの星空のほうに「豊かさ」を感じているのかもしれません。
映画『ザ・シティ・ダーク - 眠らない惑星の夜を探して』より
アンケートの中でアオネコさんは「夜は、星空を見るものでしょう。イルミネーションって、キレイだけど、星の輝きには勝てませんよ」と答えてくれました。このような豊かさを感じるためには、逆に街をライトダウンして星空を観るなんていうエンターテインメントがあってもいいのかもしれません。
そう考えると、LEDなどが使われ省電力化されたイルミネーション、灯りのない暗闇の中で眺める星空、どちらも楽しむことができる環境が何よりも豊かなのではないかと思います。ムダなイルミネーションはモッタイナイけど、楽しいイルミネーションはあった方がいいし、満天の星空が見られる環境も欲しい!そう思いませんか?
最近は灯りが空の方向にもれない街頭なども開発されているそうで、ある程度の明るさは保ちつつ星空が楽しめたりもするそうです。もしイルミネーションでもそういうことが可能になったら、星空と地上のイルミネーションを一体のものとして楽しめる、そんなものも実現するかもしれませんね!
MOTTAINAIからはじめること
→ 夜空の美しさも楽しもう。
→ イルミネーションも楽しもう。
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